痛みがあるときに運動はしていいの? ~運動誘発性疼痛抑制(EHI)の考え方~

はじめに

臨床では「痛み」があると、つい安静を優先してしまうことがあります。私もこれまで、痛みが出ない範囲で運動を行うように心がけてきました。しかし、最近では「運動をすることで痛みが軽くなることがある」という”運動誘発性疼痛抑制(EHI)”という考え方を知り、とても興味深く感じました。

ここでは、EHIについて調べたことをまとめます。

運動により疼痛が緩和するメカニズム

運動をすることで内因性疼痛調節系が関与し、疼痛の感受性の低下を認めるとされています。内因性疼痛調節系はオピオイドメカニズムと非オピオイドメカニズムが考えられています。オピオイドメカニズムでは脳内からβエンドルフィンが分泌される。非オピオイドメカニズムでは、運動により報酬系の賦活をしているとされています。

全身運動と上肢・下肢運動で変化は同じか

全身運動群、下肢運動群、上肢運動群のそれぞれ痛みの変化はあるものの、全身の疼痛に変化をもたらしたのは全身運動群であったとされています。(岩佐ら.2014)

どれくらいの運動を行うといいのか

40%HRR程度の運動を20分程度行うことによりEIHが生じたとされています。(岩佐ら.2014)

まとめ

痛みがあるときでも、軽度な全身運動を取り入れることで痛みが和らぐ可能性があります。ただし「動けば治る」と単純に考えず、痛みの原因を丁寧に評価したうえで、EIHを補助的に活用していくことが大切だと感じました。

今後は運動内容や負荷量をより具体的に検討し、臨床に応用していきたいと思います。

参考文献

1. 岩佐麻未,高沢百香,伊藤晃,牧野七々美,城由起子,松原貴子:運動による疼痛緩和(Exercise-Induced Hypoalgesia: EIH)効果の検証 ―異なる有酸素運動による効果の比較―.第50回日本理学療法学術大会抄録集,東京,2015年6月6日,第5会場(ホールB5),12:30~13:30.

 2. 矢吹省司:運動器疼痛の治療法としての運動療法.日本運動器疼痛学会誌,Vol.3,No.1,pp.13–19,2011

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